2021/04/11
「手本がないと書けない」問題ーその①ー
この週末は久しぶりに雨に降られず、気持ちよく過ごせました。私のブログに立ち寄ってくださる方は書道をしている(していた)方や、興味がある方が多いと思うのですが、今回のブログのテーマは、特に習っている(いた)人にはきっと心当たりがあるのではないでしょうか。
ズバリ、「習っているのに手本がないと書けない」問題。どうですか?「それ、私です」の方、いませんか?
これまでの指導経験から、ほとんどの生徒さんは手本そっくりに書くことを目指しているんですが、それは正しくもあり、誤りでもあるのです。なぜ、手本そっくりに書けるように手本を見ながら書いているにも関わらず、手本なしだと書けないのか?それはお手本を”見ているだけ”だからなのです。
今回の内容は、古典臨書や作品制作ではなく日常生活の中での字(メモ、手紙、のし袋など)についてのお話に限定します。
字は組み立てのルールがあります。偏(右部)と旁(左部)で構成される字、冠(上部)と足(下部)で構成される字、複数のパーツで構成される字。「子」や「女」のように分解できない字もありますが、多くの字はいくつかのパーツから構成され、各々のパーツを正しく組み立てれば美しい字になるのです。
例えば「偏と旁のルール」は使用頻度がとても多いので、私は初歩段階のうちからルールを覚えられるように、何度もおさらいしながら指導しています。「ルール=公式」なので、一つの公式を身に付けると応用させていけるんです。
つまり、このルールを覚え、仕上がりの理想形をイメージしながら練習をする習慣があるか、、、なんです。
「あ、偏と旁で構成されている字だ。じゃあ、あのルールで書けばいいんだな」と、見た瞬間に思えるか、思えないかなんです。ルールが分れば、頭の中で理想的な形が具体的にイメージできます。この理想形のイメージを鮮明に持てれば、あとは正しい筆順と筆遣いで書くだけです。
ひたすら書き続ける事も大切ですが、書く前に頭の中でどのルールを適用するか確認し、理想の形をイメージすることで効率良く美しい字を書けるようになります。ルールは一度では覚えられませんが、何度も繰り返し実践する事で身に付ければいいんです。スポーツでも論理的かつ効果的に、成功のイメージをしてトレーニングするようになってますよね。書道も同じ事です。ただ、ひたすらに何時間も書けばいいってもんじゃないのです。
私の教室では、このルールを覚えてほしくて、手本なしの課題にも取り組んでもらっています。どの生徒さんも、最初は戸惑っていますが、まずは手本なしで自分なりに書き、次に添削し私が手本を書きながらポイントを説明、そしてまた練習して仕上げる、という工程を繰り返します。手本なしといっても、例えば「左右」とか「達成」のような書写レベルからです。

理想形をイメージしてから書く習慣を身に付けることが目的なので、一発で合格することは求めていません。ルールをどれぐらい身に付けているか確認の場にしてほいのです。
これは手本がない場でも、今まで習った成果を発揮し、自分が満足できるような字を書けるようになってほしいという私の思いです。少々手荒なレッスンかもしれませんが、慣れてきたら、どの生徒さんも違和感なく取り組んでいます。
是非、日ごろから字の組み立てのルールを思い出し、理想形のイメージを意識してみてください。あっという間に字形が整い、そして永久に維持できます。
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