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芸術に触れるということ

雨が鬱陶しくなってきました。
体も心なしか重く、シャキッとしませんね。

すみません、今日はまず私の母の個展の宣伝からさせていただきます。
母は書道ではなく油絵です。
今日から8月31日まで、私の実家がある北海道釧路市で開催しております。
釧路の方がいらっしゃいましたら、是非ご高覧くださいますようお願いいたします。
場所は北海道立釧路芸術館です。
katsuyo.jpg
案内状の写真が少しボケてしまいましたが、画風なこんな感じです。
この絵はS100号の大きさです。

私は母の影響もあり、書道は当然ですが、絵のみならずアート全般が好きです。
音楽も好きで、守備範囲もロック、ポップスからクラシックまで何でもいけます。

実は鑑賞するものは、書道作品よりは絵(西洋も東洋も)や音楽の方が
断然多いです。
むしろ、敢えて書道は見ないようにしている部分もあるような気がします。
ただ古典は別です。古典はオタク並みにこだわって見るようにしています。

無意識にでも、書道に関しては固定概念を作りたくないという意識があるんです。
見てしまうと、例え、好きでも嫌いでも「意識」しますよね。
その「意識」を、まだ自分でうまくコントロールできる自身が無いんですね。
であれば、いっそうのこと見ない方がいいのでは、という考えからです。

なので、私が創作する時は自分の思いは当然ですが、
絵や音楽、時には詩歌や文学など、様々なものからインスパイアされています。
自分の作品に幅を持たせる為にも、書道以外の分野のアートに触れることを
とても大切にしていきたいと常々感じています。

日常の中で、心身供にゆとりを持つこと自体が難しい今だからこそ、
私は敢えて書道だけではなく、
絵を見、音楽を聴き、本を読むことを大切にしたいと思っています。

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臨書は脳を活性化させる!

先週末から雨が続き、気温も下がっていますが、今週はずっとこんな空模様だそうで、
それはそれで、ちょっと閉口です。(人間って我儘なもんです)
そして8月も今週で終わりですね。早いものです。

で、今回はいきなり高尚なタイトルですが、実は先週の土曜日の夜、
「世界一受けたい授業」(日本テレビ)を見ながら、アイロンかけていたんですね。
そしたら、「能力開発」の授業と題して、「なぞり字」がとても効果的と
先生が仰っていたんです。
番組では、実際に新聞を生徒達(タレント)がなぞっていました。

それで気になったので、正しい情報を日本テレビのホームページで確認してみまた。
以下の青字部分は、ホームページからの抜粋です。

百人一首を読んだだけのときと、なぞり書きしたときの脳の血流量を比較したところ、
なぞり書きの方が血流量が増加しました。
これは、脳の中の見るための後頭葉、工夫する前頭前野、書くための運動野にわたって、
非常に脳の広い場所を使うことになるためです。
家庭では、新聞の記事をなぞることでタッチブレインができます。
初めは大きい字からなぞり、だんだん小さな字をなぞるようにすると良いでしょう。
大事なのは、ちゃんと意味を考えながらなぞるということです。
漢字・ひらがな・カタカナ、それぞれ脳を刺激する場所が違います。
きちんと頭を使いながら書くようにしましょう。


ということは・・・臨書は脳の活性化にもってこいですよね。
臨書は”なぞる”よりも遥かに高度だと思います。
上記にある「見る」「工夫する」「書く」を同時にこなし、しかも単になぞるのではなく、
毛筆で別の場所(紙)に書くのですから。
場合によっては拡大したり縮小したり、または構成を変える事もあります。

それで自分ではどうだろうか、とさっき考えてみたんです。
私は特に平日は書く時間をあまり確保できないので、思うように進まないと、
朝、早起きして出社する前に一時間ぐらい、書いたりします。
このとき、もともと朝が弱い私は起きるのがかなり辛いのですが、
それでも熱いコーヒーを淹れ、書斎に入り、筆を持って書き出すと、急に
頭が冴えるんです。そして更に不思議な事に、出社前に臨書した日は、
特に午前中は頭がスッキリしてるんです。

ふ~む・・・やっぱり因果関係がありそうです。
皆さんはいかがですか?


見てきました~「慶山会書道展」

今日も昨日に引き続き、書道の展覧会を見てきました。
私の師匠である臼井南風先生が活躍している「慶山会書道展」で、
毎年この時期、銀座の松坂屋カトレヤサロンで開催されています。

臼井先生は以前からダイナミックな作品が多かったのですが、ここ最近は
それを上回るかなり大型の作品がぐっと増えてきましたので、
今日も拝見するのを楽しみに会場へ向かいました。

期待通り、、、大きい作品、ありましたよ。
作品a

全紙四幅です。138cm×280cm(紙のみの大きさで額の大きさではない)ですよ。
昨年はこのサイズで、たった八文字(一枚に二文字ずつ)だったんですよ。
まあ、ほんと凄い迫力で、作品に引き込まれるようでした。
昨年に続き、パワーが漲り、躍動感と広がりがあり、存在感ありました。
文字の大小のバランスや墨継ぎ、全体の構成など、参考になります。
作品全体を収めた写真なので、この写真だと迫力は伝わらないのが残念。

もうひとつ、先生が出品されていた作品でとても素敵だなと思った作品がありました。
作品b

これも写真なので大きさが伝わらないのが残念ですが、六尺(180cm×97cm)ですよ。
とっても洒落てますよね。
迫力は維持しつつも、温かみや軽やかさなど、とっても表情に富む作品で
見ていて優しい気持ちになりました。
潤渇のバランスも絶妙ではないでしょうか。

もうひとつ、写真は無いんですが全紙の連落ちに「鎮魂」と書いた作品もありました。

伺ったところ、これら三つの作品に本格的に取り組んだのは5月だったとの事。
凄まじい集中力と精神力ですね。

私も、より大型の作品を取り組みたいという気持ちは膨らむ一方なのですが、
まとまった時間と体力と、それなりの準備期間が必要で、なかなか実行に移せません。
そろそろ次回の個展も意識していて、大型作品を中心とした構成にしたいと漠然と
考えているのですが、考えているだけでは駄目ですね。

今日拝見した師匠の作品はだらけた私にとって、最高の「喝」でした。
さあ、今から臨書しよう!



見てきました~「書の名宝展」 

今日の午後は半休を取り、「書の名宝展」を見に両国の江戸東京博物館へ行ってきました。

書の名宝


多少の混雑は予想していましたが、甘かったです。もう大混雑。
書道愛好家って、やっぱり多いんだなぁと実感しました。

この展覧会の目玉の蘭亭序は、常に二重三重の人だかりで、ゆっくり見れません。
王義之は私の永遠の憧れで、常に頭から離れない存在ですが、
個人的には蘭亭序よりも十七帖や喪乱帖などが好きですね。

今回の展覧会で私個人の印象に残ったポイントをいくつか。
・黄庭堅の伸びやかさ。
・顔真卿の重厚感。
・米フツの相変わらずの上手さ。
・石如の線質。
・陳淳は掘り出しものだった(今まで知らなかったけど、私好みの書風)。
・王鐸の筆の立っている立体感。

展示会場を出たところにある売店で、ついついクリアファイルも買ってしまいました。

クリアファイル表 クリアファイル裏

左が表面で右が裏面です。
今回出品されている米フツの「復官帖」が表面には全体の縮小版が印刷され、
裏面には最初の四行が、ベージュ地に白抜きされていて、気に入りました。

良い作品を見ていると自分も書きたくなりませんか?
今は、王鐸のような長条幅にうねうねと書き連ねたものを書きたい気分です。

よ~しっ! 明日と明後日は気合入れよう!(本当か?)


書道の七つ道具~その一

夏休みも終わり、また日常生活に戻りました。
会社の仕事と掛け持ちなので、どうしても書道をする時間が減り、
おまけにこの暑さと仕事のストレスなども加わってくれて、
書道がおざなり気味になり、この状態がまたストレスになっての悪循環。

まあ、仕方ないですね。人生、割り切りも必要ですし。

今日は私の書道の七つ道具の一つを紹介します。
それは「書道字典」です。もう必需品です。
jiten.jpg

中はこんな感じで、一つの字に対し、書体別に、過去の優れた書家の字を
集めたものです。
jiten2.jpg

長年、書道をしていても、いつもふとした疑問にたくさん遭遇します。
筆順や点画の省略の確認から、書体の確認など様々。
そんな時に重宝するのがこの字典です。
筆を持つ日で、この字典を開かない日は無いと言っても過言ではないです。
臨書の時には、特に点画や筆路の確認に用いますが、創作の時には草稿の際と
途中で行き詰った時に使っています。
手垢だらけで、表紙は折り目があと少しで千切れそうになっています。

書道字典さん、いつも本当にどうもありがとう。
あなたを頼りにしています。

紙、到着

朝を迎えてしまいました。
平日はたっぷりと書く時間が割けないので
休日はその反動でどうしても夜通し書いてしまい、健康に悪いと思いつつもついつい。

注文していた紙が到着しました。

kami.jpg

お盆明けの配送になるとお店の人が言っていたので、てっきり週明けかと思っていました。
今回のお買い物は
・半紙:2締め (2000枚)
・全紙2反:紅星牌の単宣と羅紋宣を一反ずつ

箱は三星牌のものですが、中身は紅星牌ですよ。
結構重いです、、、多分8~9キロぐらいあると思います。

書いては捨て、書いては捨て、、、を毎日繰り返していると
思っている以上に早く底をつきます。

紙を買う為、墨を買う為、筆を買う為に仕事しているんだな、と納得しますね。
ちょっと空しいけれど。。。
いやいや、この無駄に見える作業が、未来の私の血肉になると信じていますけどね。



慈雨

雨が降っています。
でも空を見ると雲の合間に明るいところがあるし、すぐに止みそうです。
今、住んでいるマンションからは空を見渡せるので、窓からの眺めを見続けていても飽きません。
朝焼けと夕焼けは最高ですよ。

さきほど、先月出品した展覧会で受賞したとの通知が届きました。
安心しました。
全紙(横)に二文字、青墨の淡墨で「満願」と書いたものです。
作品はすでに表装に出してますので写真ないんですよね。
会場に展示されたときに、撮影してきます。


暑い日は臨書でもいかが?

今日は本当に暑かったですね。
家でエアコンつけていても、掃除したり料理したりしていると、汗だくでした。

今は臨書三昧です。
小野道風と顔真卿を同時進行してます。
道風は「屏風土代」で、顔真卿は「争座位稿」です。
和様と唐様、どちらもそれぞれの魅力があって楽しいです。
楽しめるまでは、結構苦労しましたが。

rinsho1.jpg

私は臨書が好きです。
臨書は終わりが無いですね。自分が筆を持つ限り、いつも大切にしたいと思っています。
自運作品への取り組みも当然大事なんですが、前提には臨書で培ったものがあっての事と
痛感しています。

私の場合、臨書をやっていると創作したくなり、創作していると臨書したくなります。


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こんばんわ。
すっかり真夜中で、せっかくの夏休みもあっという間に毎日過ぎている状態です。

昨日スタートしたこの「虹色の墨」日記ですが、ブログタイトルを決めるのが
思った以上に大変でした。
こだわったのは明るくて、想像力が膨らむイメージ、そして私が日々格闘している
書道の世界にも通じるもの。

そこで「虹」が浮かびました。
最近、虹を見ていないけど、虹は幸せの前兆のイメージがあります。
そして墨は様々な色を発します。その墨色がとても好きで、淡墨作品はよく手がけます。
それで「虹色の墨」っていいかも、とこんな訳です。

虹


この作品のタイトルはまさに「虹」
前回の個展に出品した作品で、青墨の淡墨です。
落款印も自分で彫りました。今見直すと、もう一回り小さくてもよかったかな。



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はじめまして!

はじめまして、石本美帆です。
本日、ブログを開設しました。

まずは簡単な自己紹介を。
ブログのタイトルそのままですが、書道の世界の美しさに魅せられ、
日々試行錯誤しながら、筆を執っています。
「虹色の墨」というのは、墨の魅力そのもので、墨はあらゆる色を発します。
その墨色の美しさをはじめ、書道の世界を、今後、少しずつ
このブログでご紹介できればと思っています。

書道家といえ、実は二足の草鞋の状態で、外資系IT企業で広報を担当する
広報ウーマンでもあります。
まったく共通性の無い世界に生きていることで、感じたり見えたりすることもあります。

ここではそのような日々の「綴り」もチラホラ出てくると思います。
これからどうぞ宜しくお願いいたします。


プロフィール

書道家(書道師範)、東京生まれ、北海道育ち、現在都内在住

美帆

Author:美帆
書道家(書道師範)、東京在住。あおい書道教室を主宰、大人から子供までを指導。作品制作においては、国内に限らず海外へも活躍の幅を広げ、多方面で活動中。

毎週月曜日夜間クラス(場所:新橋、成人対象)、隔週火曜日午後クラス(場所:高島平)の生徒募集中です。
レッスンの詳細はホームページ
(https://www.miho-ismt.com)をご覧ください。
お問い合わせはホームページ、または本ブログのメールフォームからお願いします。

出張指導にも応じています。プライベート、グループ(企業・団体への出張可)でのレッスンなど初心者から師範取得まで柔軟に対応いたします(級、段の取得可能)。

いまさら聞けない筆使いの基本、臨書の学習方法、創作の基本、理論などに特化した経験者向けの指導も可能です。既に他の教室で習っているものの行き詰まりを感じている方、伸び悩んでいると感じている方、私をセカンドオピニオンとしてお気軽にご相談ください。

作品制作、看板文字、ロゴデザイン制作なども承っております。お気軽にメールフォームよりお問い合わせください。

(注)プライベートレッスンについては、女性限定とさせていただいております。

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