2009/08/29
便利とは
8月も残り僅か。レッスンでは、子供達の夏休みへの色々な思いを聞けて、楽しいものです。早く学校へ行きたいと思う子もいれば、ずっと夏休みのままがいいと思う子もいて、それぞれですね。私からみれば、夏休みがある事自体、大変羨ましいんだけれど。今年の夏、以外にあっさりと秋に突入で少し寂しい私です。まあ、そんな中でいくつか、ちょっとしたつぶやきを。
今、洗濯で落ちる墨汁というものがあるんです。一見、便利とも受け取れますが、私は墨は一度付くと落ちないもの、落ちにくいものという認識のもと、汚れてもよい状態で書きます。床や机に新聞を敷いたり、汚れても構わない服装に着替えるものです。たかが墨汁の話ですが、汚れては困る服を子供に着せて、洗濯で落ちる墨汁で書道をするというのは、何か違和感があります。私だけでしょうか?
おまけにこの洗濯で落ちる墨汁は、一見すれば墨汁のようですが、墨汁に非ずなんです。子供が使っているのを良く見てみると、墨ではなくインクのようです。薄くなると青緑色をしているし、墨独特の匂いもしない。
そもそも、固形の墨を磨った事が無い子供が多い中、未来の書道はどうなっているんでしょう。芸術や文化というものは、時として無駄と感じる事や面倒と感じる事が多いものですが、そこに真髄があるものだと思います。ただし、無駄なことではないんだと受け止められるまでに相当、時間がかかるものでもありますが。ある方が言っておられました、便利という事は人間を怠慢にさせるものだと。
難しい事ですが、子供達には面倒や無駄と思えることが大切なんだよ、と伝えていきたいと思っています。本来あるべき姿には全てにおいて意味があるんだと。
さあ、明日は大切な投票日。
有権者の方は必ず投票に行きましょうね。国民が政治に直接参加できる唯一の機会なんですから、文句言うだけじゃなく、行動しましょう。


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