2009/11/28
日本の宝
昨日は上野の東京国立博物館 平成館にて開催中の「皇室の名宝」展に行ってきました。
日頃は滅多にお目にかかれない、まさしく日本の「宝」のオンパレードですから、日本美術愛好家にとっては見逃せない展覧会です。
会期中の金曜日は夜8時までなので、会場内がすいてきた頃を目指して6時過ぎに入館したのですが、それでもすごい人でした。会場内が混んでいる時は、私はいつも自分が一番見たい作品から見るようにしています。
私にとってのこの展覧会の目玉は
・喪乱帖 (王義之)
・杜家立成 (光明皇后)
・伊都内親王願文 (伝橘逸成)
・玉泉帖 (小野道風)
・屏風土代 (小野道風)
・恩命帖 (藤原佐里)
でした。書道をやらない人でも三筆、三蹟と称される彼らの名前は日本史で習って記憶にあるのではないでしょうか。
本物が見れて本当に良かった~。何度も何度も臨書していても、いつも見ている先は写真を印刷したもの。やっぱり写真から伝わる印象と本物から伝わる印象って違う。特に印象深かったのは、伊都内親王願文と恩命帖。前者からは「生々しい」雰囲気が伝わってきました。呼吸が感じると言えばいいかな。後者からは繊細な中にある柔らかさが素敵で、見ている人を引き付ける力を感じましたね。光明皇后の杜家立成も素晴らしかったな。
でも、ちょっと「う~ん」と思うことも(私が気にしすぎるのかもしれないけれど)。それは各展示作品についてキャプション。題名、作者、時代などとともに数行で解説も添えられているんだけれど、あの解説は、事実のみで良いのではないでしょうか。光明皇后の杜家立成に「・・・光明皇后の豪放・闊達な性格がうかがえる・・・」のような一文で締められていたんだけれど、私には彼女の字からは豪放、闊達なイメージよりも、芯の強さや強い自制心、的確な判断力をもった精神力の強い女性という印象を受けます。まあ、この手の解説は、本によっては全く逆の事が書かれてあることもしばしばある世界なので、結局は受け手の感じ方次第なんでしょうね。
良いものからはパワーをもらえます。今月も残り僅か。季節は冬を迎えますが、気持ちはいつも熱くいたいですね。


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