2011/09/24
今年の夏の思い出(その1)
すっかり秋空、気温も心地よく、先週までの残暑が少し懐かしいぐらいです。昨日(というか今朝)、看板の文字の原稿に指示を入れ、版下作成に出しました。大きな一仕事の区切りがつき、少し安心しているところです。
そしてずっと気になっていた今年の夏休みの体験をまとめる事にしました。以前にも書きましたが、中国の西安への旅・・・想像以上の多くの体験をし、多くを感じ、考えました。きっと生涯、忘れないと思います。
私にとって、今回の西安の旅にはどうしても見たい場所が三か所ありました。一つ目は「碑林博物館」、二つ目は「兵馬俑」、そして三つ目は「大雁塔」。
書道を学ぶ者なら、「碑林博物館」はどうしても訪れたい場所。日頃苦しみながら、楽しみながら何度も勉強してきた碑を実際に見れるのだから、私は出発前から、それらの碑を目の前にした時、どのような気持ちになるんだろうと想像していました。もしかしたらあまりの感激で、石碑を抱いて涙するかもしれない・・・なんて。
碑林博物館は市内の中心部にあるので、宿泊していたホテルからも徒歩圏内。そして碑林博物館に通じる通りが「書院門」といって、文房四宝(筆、紙、墨、硯のこと)のお店ばかりの通りがあり、その通りに居るだけで、テンションアップ!私にとっては時間があるなら、一日中居ても飽きない通りでした。一軒、一軒覗いて、お店の人と会話できたら、どんなに楽しいんだろう。でも碑林博物館の閉館時間が気になるので、後ろ髪を引かれる思いで碑林博物館へ。

碑林は他の観光地に比べると、かなり専門的な内容なだけあって中国では珍しく人が少なく、静かな中で落ち着いて鑑賞できました。出発前、師匠から「本当に沢山の碑があるから、最初から順番に見ないで、見たい物から見て行かないと時間が足りなくなる」とアドバイスして頂いたので、まずは展示目録を見て目星を付けてから見て回ろうと思ったのですが、どこにも展示目録がなく、また尋ねるにも中国語で質問できないし、英語を理解できる中国人も居なかったので、結局、最初から見て回る事に。少しオロオロしましたが、やはり有名な碑は、どの部屋でも分かりやすい位置に展示してあるので、見て進むと、「わぁ、xx碑だ!」「こっちはxx碑だ!」と、もうすっかり興奮状態。
これは大好きな王義之の「集字聖教序」。

実は碑林で期待していた事、それは拓本を取っている現場を見る事。運が良ければ見る事が出来るという情報を聞いていたので、少し期待していました。墨を付けている現場を見る事はできませんでしたが、碑に紙を貼って準備している状態を見る事が出来ました。まぁ、こんな事を楽しみにしている人はきっと少ないんだろうな。
この日は、西安旅行の一日目。午前中に上海を出発し、飛行機で約2時間。空港から市内までバスで約40分。すぐにホテルにチェックインして行動したものの、もう夕方近かったので、あっという間に碑林の閉館時間となってしまいました。
また来る事があれば、今度は書院門通りと碑林だけで一日、ゆっくり過ごしたいな。
その2へ続く・・・


スポンサーサイト