2012/01/31
趣味にも目標設定を
私は教室でのレッスンやプライベートレッスン以外に、企業や団体へも定期的に出張して指導しています。時には一日、3箇所のレッスン会場を駆け回る事もあります。そんな訳でほぼ毎日、電車やバスでの移動があり、一日があっという間に終わってしまいます。仕事だから仕方ありませんが、若干、マンネリ化しつつある日常をどうにかしたいと去年の後半あたりから思っているのですが。最近、ある企業でのレッスンで受講者が増え、私がレッスン内容や検定受験について色々と説明していたのですが、やはり新参者の受講者(といっても経験者)にとってはレッスンそのものに慣れていないし、仕事との両立について不安があったようで、検定については消極的な態度だったのですが、その人の上司がすかさず「趣味にも絶対に目標を持つべき!」と言い放ったのです。
特にその新しい受講生は経験者という事もあり、実際に書いてみると初歩の段階は難なくスイスイと書き進めるし、自分の問題点も冷静に理解できる、そして書道の世界に集中して楽しんでいるので私も内心では同じように思っていました。でも無理強いはできないし、仕事も忙しそうだったので、相手も大人なんだし、本人の判断に任せようと思っていたのでした。ところがその上司の一言で、少し前向きに検討するようになってきたんです。
その上司の方のアドバイス、何故か私の胸にもぐっときました。一般的には仕事が優先され、空いた時間で無理なく趣味を続けていくというスタイルを取られる方が多いと思います。でもだんだん自分に甘えが出て、どうせ趣味なんだから、という態度になっていないでしょうか。同じ時間とお金をかける自己投資なら、少しでも上達し、更には生き方、価値観が前向きになるような趣味にしていかないと人生が勿体ないです。
その上司の方は続けてこう言いました。「リタイアした時にじっくり習い事をするんじゃなくて、リタイアした時には教えているかもしれないよ」
私自身は、書道家になりたくて書道を習い、なんとかここまでたどり着きました。書道家として独立する前の会社勤め時代は上司や同僚に恵まれ、仕事も書道も楽しみ、苦しみ、いつも忙しかったですがそれなりに充実した生活を送ってこれました。これは私が「書道家になるんだ」という強い意志を持ち続けられたからだと思っています。
趣味を持つ人全てが先生になったり、その道で独立すべきという話ではありません。趣味においても明確な目標設定があるかどうかの問題です。空いた時間の使い方でも生き生きとし、もしかしたら他にも目を向けられるようになるかもしれません。まさに「ワーク・ライフ・バランス」ですね。仕事以外にも自分の居場所を作る事は本当に大切です。
因みにその上司の方、仕事では毎月のように海外出張、国内出張があり、趣味では書道以外にも楽器を習っています。どんなに仕事が忙しい時でも生き生きしていて、笑顔が素敵な女性です。


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