2013/03/22
隙間
春!です。東京では桜がまさに今が見ごろを迎えました。外出するのが気持ち良い季節です。創作への意欲もどんどん上昇してきました。ところで私は仕事ではなく、プライベートで鑑賞するものは、実は書道以外の芸術分野がほとんどです(ただし古典書道はよく見ます)。この世には書道では出来ない表現手法が山のようにあります。ぱっと思いつくだけでも音、立体(3D)、映像、、、他にも触感、味、香など、またはこれらの融合。それを時折、肌で感じ、時には何も考えず無心で鑑賞する事は良い刺激になるとともに助けられます。
創作の第一歩の段階で、書道では表現できない分野のイメージを大切にする事があります。好きな音楽のフレーズだったり、ある物質の質感だったり、何かの香りや特定の色の場合もあります。これを墨の世界ではどう表現すれば近づけるか、これを原点に創作をスタートする事があります。
ただ、途中経過でどんどん手を入れ、最初のイメージから全くかけ離れたものになる事もありますが、最初の拘りと、最終的な作品の出来栄えを天秤にかければ、やはり後者です。とはいえ潔く最初に抱いたイメージを捨てる勇気も必要ですが。
それから煮詰まった時に助けられる事もあります。何か足りない、または揃い過ぎて無難に落ち着いた時に何かを崩さなければなりません。何をどのように、どれぐらい崩すか、、、とても微妙なポイントですが、そんな時も他分野からヒントを得る事が沢山あります。
うまく表現できないのですが、自分の仕事や生き方において、他の世界の領域にもちょっと踏み込んだり、踏み込まれたりする「隙間」って、とても必要な気がします。でも踏み込んだり踏み込まれてぐらつくような自分では駄目。しっかりとした自分の軸を持って、とことんまで自分と深く向き合う事と、少し遠目で世界を見るバランスなのだと思います。
私もこのバランスの取り方が「やっと」分かってきたかな?という状態。でも少し分かってくると、色々な世界の共通事項が見えてきたり、ずっと師匠が私にアドバイスして下さった内容の真意も理解できるようになってきました。
自分の拘りはとても大切で、これが無ければ何もスタート出来ないのですが、自分の世界だけで完結しようと行動すると身動きできなくなる事って多いですよね。自分の領域のフルで活動し続ければ、誰でも壁にぶち当たります。でもそこに少しの隙間があると、急に動きや方向が変わる事、必ずあります。
でも前提としては、まずはしっかり自分の領域を汲み尽くす事、軸足を固めておく事だと思います。フワフワした状態であちこち覗いても、揺れ幅が増幅するだけ、自分の悩みや迷いが大きくなるだけですから。
今週は2つの新作に取り組む事が出来ました。これから苦しみが始まる訳ですが、最後にどのような形になるか、自分でもわからないこの世界、やっぱり楽しいものです。
新作も頑張らなきゃならないけれど、桜も愛でないとこの季節をしっくり過ごせないなぁ。


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