2013/11/06
すっかりブログの更新をサボってしまい、季節は11月。各地で紅葉が見頃となり、あの厳しかった夏は確かに過ぎ、季節は確実に巡っているのだと感じます。秋はちょっとしんみりしますね。でも実りの秋は私の一番好きな季節です。
個展もいよいよ今月下旬に迫り、もう作品は随分前に私の手元から離れ、今は細かな準備作業をしつつ、いつものように自分の勉強とレッスンの毎日です。一番のヤマ場を越えた先月末は、伸び伸びになっていたお墓参りをしに駆け足で帰省もしてきました。
昨年の夏に今回の個展の開催を決め約一年間、ずっとハイスピードで走り続けましたが、その間、ずっと大切にしていた創作の取り組み方、姿勢について少し書いてみようと思います。これは創作だけではなく、仕事や人づきあい、生き方にも応用できると思うからです。
それは、、、一言でいえば「こだわりを捨てる」です。こだわってこそ芸術と思われがちなのですが、こだわっている時は意固地になっていて、視野が狭くなり自分の殻から抜けきれず、新しい発想を生み出せません。変化していく中で最終的な落とし所を見つけ、柔軟に処理するフットワークの軽さがとても大事です。
新しい作品に向かう時、当然、私なりにかなり具体的なイメージを持って草稿を書いていきますが、一度書き終えたら、必ずそのイメージとは対極的なものを書くようにしています。暖かいイメージなら力強い感じのもの、ダイナミックなイメージなら繊細なものを、、、といった具合です。こうして、とにかく広い視野で実体験を積み、幅広い経験の中から答えを出すようにしています。その意味では、芸術は実験の繰り返しです。
以前は自分のイメージをどのように具現化するか、ばかりに一生懸命でしたが、よく考えると最も大切なのは、自分のイメージを表現する事ではなく、より良い作品を生み出す事なはずです。仕事においても、こうすべきと思っているやり方にこだわるあまり、結果が伴わなければ、意味のない事ですよね。手段も大切なのですが、一番大切なのは結果なはずです。より良い結果に結び付くなら、自分のつまらないこだわりは捨ててしまおう、と最近になって本当に思えるようになりました。
ただし、こだわりはそれなりに必要なものでもあります。重要なのは行き詰った時に一度、こだわりから離れてみることです。調子良く進んでいる時はその波に乗り切る事も大切ですしね。
さて、最後に個展開催まで3週間をきりましたので、ここで改めてご紹介させていただきます。
◆◆ 第三回 石本美帆 書作展 ◆◆
2013年11月25日~2013年12月1日(日)
11:00~18:00(最終日は15時まで)
円鳥洞画廊〒100-0005
東京都千代田区丸の内3-3-1 新東京ビル 2階
今回は20点の新作を発表いたします。
かなり大きな作品から、小品まで、書体も様々に織り交ぜ、あらゆるスタイルの作品に挑みました。
会期中はずっと会場におります。お越しいただいた皆様にお会い出来る事を楽しみにしております。
ご高覧の上、ご指導賜りますよう、お願いいたします。
日ごとに秋も深まり、冬の到来も目の前ですね。体調を崩しやすい時期ですので、気を付けてお過ごしください。
