2014/03/31
気持ちを整える
ようやく本格的な春を迎え東京は一気に桜満開となりました。この冬は雪が多く、気温も低かったため、いつも以上に春が待ち遠しかったので、最近の陽の暖かさがとても優しく感じます。季節の流れは本当に有難い。久しぶりのブログの更新ですが、暫く何となく落ち着かない生活が続き、色々考えている事や感じている事はあったのですが、文章にまとめる時間や気力が湧かず、今日に至ってしまいました。「気持ちを整える事に専念していました」と言えば少し格好がつくでしょうか。
昨年末の個展が終わり、落ち着く間もなく新年を迎え新しいレッスンが立て続けに始まると共に、色々とスケジュール変更やら打ち合わせやら、雑務やらで、流石に少し疲れてしまいました。やらねばならない事、やりたい事が沢山あるのに、時間が足りない、でもその度にイライラしていられない。となると「頑張る事」よりも「受け入れる事」と「受け流す事」が必要以上に疲れず、自分らしく過ごせる秘訣だと感じています。加えて言えば、「気にしない事」も必要でしょうか。他人の目や意見に振り回されず、自分の感覚や感性を守る事が自分を守る事になる事があります。勿論、その反対もあります、、、難しいものですね。
書道の勉強で「臨書」というものがあります。古典を手本にして字形をはじめ線質、筆使い、その他あらゆる事を身に付けるのが臨書です。私はほぼ毎日臨書していますが、最近は臨書をしている時、その時代を意識したり、書いた人の気持ちを想像してみる余裕がでてきました。出来る事なら書いた人と対話したいと思いながら、手本の中から線の呼吸を感じながら書くようにしています。20年、書道の勉強を続けて、ようやくこうした臨書ができるようになってきました。決して無の境地ではないのですが、遥か昔の字と魂のキャッチボールをしているようで、こんな風に臨書をしている時間はとても気持ちが清々しく自分の気持ちがナチュラルになるのが感じられます。書道を含め、芸術は奥に進めば進むほどに心のざわつきが静まり、自分らしい感覚を取り戻せるものだと思います。
4月を迎え新社会人や新入生、新学年となって新しい生活を始める人、そのサポートとして一緒にバタバタと過ごす人が多いと思います。そして現代は肉体が忙しいのみならず、過多で雑多な情報が溢れ、知らないうちに煽られたり、流されたりして、心までも疲れてしまいがちです。日常生活のちょっとした時間で心身のリセットをするなら、芸術に触れる事をお勧めします。日常の喧騒から肉体も精神も離れ、自分と対話する時間は意識的に持ちたいものですね。
今更ながら私には書道があって良かった、と改めて感じ入る今日この頃です。


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