2014/07/16
必要な痛み
7月中旬を迎え、蒸し暑い日が続き、まだ梅雨が明けていない事が信じられない日差しの強さですね。熱中症対策を万全に、睡眠、食事、休息、仕事のバランスを大切にしたいですね。来月の今頃は中国に居る予定なのですが、現地の気温は東京よりも熱く、夏バテと食あたりには念を入れて注意しなければと思っています。今回は、学びにとって必要な「痛み」について書いてみたいと思います。学ぶうえでの痛み(苦痛)は、人にもよるでしょうが、大きく分けて時間と金銭ではないかと思います。学びたいのに、取り組む時間が十分に無くて諦めてしまう人と、道具やレッスン料の負担が厳しくて続かない人です。この問題は、個々のライフスタイルや経済状況によりますので、「こうすべき」と断言できるものではありませんし、すべきでもないと思っています。
ただ全ての条件が揃って学んでいる人も、そう多くは無いものです。私の話で恐縮ですが、長い間、社会人として働きながら書道の勉強を続け、ようやく独立しました。書道家として独立するまでの間は、とにかく時間の確保が大変で、常に時間に追われ、もっと時間が欲しいと感じていたものでした。週末は夜通しで書き、平日は出社前に書いていたものです。でもその辛さがあったため、書く時は集中して取り組みましたし、少しの空き時間も無駄にしないような心掛けが自然と身に付いたように思います。もし時間に余裕のある立場だったら、これほど真剣に取り組まなかったのではと思っています。
そして金銭面の痛みですが、やはり自分の財布からレッスン料を出している人の方が真面目に取り組む傾向があるように思います。私の狭い指導経験の中から感じる傾向ですから言いきれませんが、レッスン料の自己負担分が少なくなれば少なくなるほど、真剣度が減少し、なかなか上達していきません。
自己の研鑽の為には、それなりの痛みが伴うのは当然の事です。楽して、時間かけずに、お金かけずに出来るもの、身に付くものはありません。でも身に付いたものは尊いものです。昨今、あまりにも「お手軽」がもてはやされていますが、手軽では本物は決して、絶対に身に付きません。面倒で、時間がかかって、それなりにお金が掛かって当然なんです。
時間が無い悩み、継続していく為の出費、どちらも辛い痛みですが、少し長い目で見てみてください。何にも代え難い本物の実力と引き換えの必要な痛みなんです。私も常にこの痛みを感じています、自分の為に。


スポンサーサイト