2015/11/13
スピード、そして腕のポジションの確認を
日ごとに秋が深まってきました。朝晩はかなり涼しく、日も短くなり、そろそろ本格的な冬支度の季節ですね。カレンダーをあと二枚めくれば今年も終わりだなんて、早いものですね。私はもう暫く、猛烈な忙しさが続く予定でバタバタしていますが、先日の某企業でのレッスンで、「やっぱり先生が目の前にいると違います!」とか「楽しくてとてもいい時間でした!」というお言葉を頂き、一気に疲れも吹き飛びました。私の方が元気を貰いにレッスンに行ったようなものです。本当に有り難いです。また久しぶりの更新になりましたが、今回も日頃のレッスンから感じた事がありましたので、書道を学ぶ方には参考になるかと思いまとめておきます。
一つ目は書くスピードについて。私もそうですが、大抵はゆっくり、丁寧に書くように、特に初心者に対しては指導します。実際に書いて見せ、また書いている現場で都度、指導をしていきますが、ではその「ゆっくり」とはどのぐらいのスピードなのでしょう。これについて私の回答は「人、作品それぞれのスピードがある」です。つまりケース・バイ・ケースなのですが、先生や上級者のスピードを丁寧に観察してみてください。スピードは一定ではなく、緩急があります。スピードは呼吸と置き換えてもいいかもしれません。
まだ筆使いになれていない初心者や書き込みが足りない状態にある人は、このスピードが一定にある傾向があるようです。確かにゆっくり丁寧に書いてほしいのですが、特に「送筆」においても緊張感があるのか、ぎこちなくノロノロと動いていては字の勢いや力強さ、爽快さが失われ、所謂「立体感」が無くなり、のっぺりとした字になります。もしお心当たりがありましたら、先生が書いている時のスピード感、そして筆の抑揚(筆圧の変化)に注目して、それを真似てみてください。書道は真似から始まります。
二つ目は腕のポジションについて。楷書、それも横画が上手くいかない時、肘を張り過ぎている場合があります。脇が開いている状態です。脇が開いた状態で筆を持てば、筆先は自ずと左真横を向き、楷書の横画として正しい45度~60度程度の始筆の角度が作れません。当然、終筆も出来ない訳です。脇は締め過ぎてもいけません、和室で座ってお辞儀するときの両手のポジションが適当ではないでしょうか。両手の親指と人差し指を付けて三角形が出来る、あの角度です。
脇が開きがちな人に聞いてみると、殆どの人が日常の硬筆(ペン字等)の姿勢でも脇が開いた状態だそうで、悪い習慣になっています。脇が開けばどんどん猫背になりますし。力も込められませんし、俯仰法も正しく身に付けられません。たかが姿勢、されど姿勢です。今一度、確認してみてもいいと思います。仲間同士で書き姿勢の写真を撮り合うのもいいかもしれませんね。
本当はまだまだ、あれもこれもと書きたいのですが、まとまりが無くなりますので今回はこの辺りで終わりにします。今回も、特に初心者向けのヒントになりましたが、基本はいつになっても大切。特に行き詰った時は習いたての頃を思い出し、良い緊張感を持って進みたいものです。
そろそろインフルエンザも流行りだしてきたようですね。体調管理には念には念を入れて元気に今年の残りを充実させたいですね。


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