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仕事納め

今日は寒いものの、とてもよいお天気です。昼間、窓の外を見たら雲一つ無い空で、本当に清々しく、気持ちが洗われたようでした。

さて、本年の仕事も無事に終了いたしました。今年一年、新しい仕事にチャレンジ出来た事、健康に過ごせたことに感謝しています。特にホテルのアートワークを手掛けた事は、私にとって貴重な経験になりました。必ずやこの経験を今後に生かしたいと思っています。

レッスンにおいても、生徒さんがどんどん昇級、昇段していき、安心と共に喜びや充実感を共有させて頂きました。頑張った皆さん、お疲れ様でした。これからも楽しく一緒に学んでいきましょう。

さて、私自身の来年は、、、創作に一層力を入れたいと思っています。前回の個展からだいぶ時間も経ち、そろそろ次回を考えられるようになってきました。勿論、日々のレッスンもさらに充実させていきたいですし、出来れば一日コースの長時間・集中レッスン、または合宿も開催したいと思っています。お声をかけていただければ、全国どこにでも出張指導もいたしますよ。

そして何より、肩の力を抜いて、日々を楽しみながら書道に向き合っていきたいな、と益々強く思うようになってきました。そのためにも健康第一で、いつも笑顔でいられる余裕を持ち合わせていきたいです。

今年一年、様々な方にお世話になりました。改めて感謝申し上げます。
来年も、どうぞ宜しくお願い申し上げます。

どうぞ良いお年をお迎えくださいませ。

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石本 美帆



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筆跡

今日はクリスマス・イヴ。新年まで指折り数えられるようになりました。仕事納めが目の前に迫り、猛烈な忙しさに見舞われている方、ゆるやかにお休みモードに入られる方、色々な過ごし方をされている事と思います。

私はレッスンは28日で終了、年内の仕事はだいぶ落ち着いてきましたが、年末の大仕事の年賀状ままだ片付いていません。例年、この時期は年賀状書きの為に何回か徹夜になってしまいます。いつも後悔して来年はもっと早く準備に取り掛かろうと思うものの、、、どうしても直前でドタバタして、何とかギリギリセーフ、という顛末です。

という訳で目下、隙間時間にあて名書きをしている最中です。手帳を見返しながら今年一年間でお世話になった方、古くからの友人、親戚等、漏れが無いように今年頂いた年賀状も突き合わせをしながら全て毛筆で宛名を書いていますが、今年のお正月に頂いた年賀状を一枚、一枚見返して何とも言えない違和感を感じました。

その違和感とは、差出人の「筆跡」が宛名面では”ほぼ”見れないという事。まあ、見事なまでにプリンターで出力しているので、目にするのはフォントだらけです。この時期、色々な方が言われていますが、やっぱり手書きの字の方が相手の顔がすぐに浮かび、温かさを感じます。

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ただでさえ忙しい年末だし、なるべく書き損じたくないし、悪筆も誤魔化せる。でもフォントだらけの年賀状は事務的でダイレクト・メールと何ら変わらない。コメントを直筆で書かれていれば、まだ相手の存在を感じられますが、コメント無しとなると、最早何の感情も沸いてきません。頂いたものにケチをつけるような事は言いたくないのですが、特にこのように約一年ぶりに見返すと本当に味気無いんです。

手紙を交わす事がどんどん減り、いざという時の年賀状もプリンター。でも下手でもいいから、可能な範囲で「あなた」の筆跡が見たい、と感じた次第でした。

書かないからどんどん下手になるんですよ。ちょっとずつ、少しずつでいいから自らの手で書く時間を大切にしてほしいと願うクリスマス・イヴです。

来週には元旦を迎えるなんて全く実感が沸かないのですが、今はとにかく年賀状を書き終える事を目標にもうひと頑張りします。ではよいクリスマスを!



対極を意識する

暖冬の今年、確かに例年より寒さが苦にならず、いつもならしっかり重ね着している時期ですが、室内なら秋物の装いでも十分で、寒がりの私には有り難いのですが、地球上では良いばかりではないようですね。マイナスの影響も各方面であるようです。

そう、何でもプラスがあればマイナスがある。当然といえば当然なのに、どうしても私達は自分にとってのプラスだけに目を向けてしまいます。心に余裕がなければ、なお視野が狭くなり、近距離のプラスばかりを追ってしまいます。でもこの世はプラスとマイナス、陰と陽で一つの世界、両方を見つめる冷静さを常に備えていたいもの。

では、書道の世界においては、どうなのでしょうか。折しも一年を振り返る時期になりましたので、今年の書道の勉強の成果を振り返る際のヒントとして、今回は書道における対極の世界についてまとめてみます。

書道の勉強は古典臨書と創作を両輪としてバランスよく学習しなければなりません。どちらかに偏ると、独りよがりになり、訴求力が弱くなります。

古典臨書においては、どこまでも緻密に正確性を追求する事を心がけます。筆使いは勿論の事、線の呼吸や文字間や行間への気配りも必要です。また書体が異なれば気を付けるべき観点も異なる場合もありますし、道具の検討も必要になります。

一般的な書道の学習は、まず臨書の学習をし、そこで身に付けた事を用いて創作へと展開していきます。ですから書道を習うと、まずは臨書から、、、という手順となり、多くの方は欧陽詢の楷書だったり、王羲之の蘭亭叙や集王(字)聖教序などから臨書の学習をスタートされ、臨書のイロハを学んでいる事でしょう。臨書の勉強には時間がかかるので、数か月、半年とずっと同じお手本を書いているという話も聞きますが、私達の最終地点は臨書から創作に応用させることです。

臨書は大切ですが、そこに満足してはいけません。所詮、どんなに勉強しても私達は王羲之にも欧陽詢にも空海にもなれませんし、彼らを超える事は出来ないのです。彼らのお手本から様々なエッセンスを汲み、自分の作品に反映していかなければなりません。

ある程度、半紙で臨書の勉強を進めたら、半折に二行(14文字程度)で書いてみる。そうすると墨継ぎの場所を気にしなければならないこと、作品にリズム感を与える事、墨に潤渇の変化をつける事、文字に大小の差をつける事、効果的な落款の入れ方など、半紙で臨書を勉強していただけでは作品が成立しない事を実感するはずです。また手本とそっくりに書けたとして、そこには何も魅力が無いという事も気付くのではないでしょうか。

上手な字を書きたいのは誰もが願う事ですが、あまり細部にまでこだわっていると本質を見失います。一生懸命書いているけれど、あまりにも手本にこだわり過ぎのあまり、「上手だけど、ただそれだけ」に終わっている方が以外と多いものです。

作品(創作)を書く場合は、対極にある世界を意識してみてください。大きな字と小さな字がある、滲みとカスレがある、ゆっくり筆を動かす線とスピード感ある線がある、、と対極のものが一つの世界に同居すると、立体的な素敵な作品に仕上がります。つまり「臨書では正確に、緻密に」に対して「創作では大胆に、変化をつける」という事になり、臨書練習の要領で大きな紙に書くだけでは作品は仕上がらないのです。

創作のヒントとして、、、墨継ぎではどれぐらいの墨を付けていますか?すぐにかすれてしまうのでは足りなさすぎです。筆先から墨がポトポトと落ちるぐらいで丁度良いのですよ。作品のスタイルにもよりますが、字の大きさに大小の差がありますか?リズム感がありますか?同じスピードで書き続けていませんか?太い線と細い線が両方ありますか?作品の中で主役になる部分が一目でわかるように変化を付けていますか?美しいカスレがありますか?落款の位置にも気を配っていますか?印の大きさや印泥の色は最適ですか?墨色や余白は美しいですか?線質や墨の濃度と紙の相性は良好ですか?

実際に創作していくと、まだまだ気に付けなければならない事がありますが、ざっとこんなもんでしょうか。このような事は半紙練習では身に付きません。日頃から半紙で臨書の学習の後には創作に展開していく事を習慣化してほしいものです。スポーツで例えるなら、臨書は筋トレや素振り、バッティング、ピッチング、キック、サーブという個々のテクニックの練習であり、創作は試合になります。黙々と素振りだけをやっていても試合には勝てませんし、個々の練習をせずに試合だけを繰り返しても徒労に終わります。両方をバランス良く、弱点を克服するためのプログラムをこなして総合力が付き、メンタル面も強くなり、本当の勝者になります。

すみません、かなり冗長になってしまいました。最後まで目を通して頂いた方には感謝いたします。言いたかった事は、細部へのこだわりと同様、大胆さも大切という事です。そして経験を積む(書く)以外に道はありません。現状維持に留まらず、これまで経験したことのない事に挑戦し、新しい境地を切り開いて頂きたいし、私もそうありたいと思っています。

今年も残り2週間ほどですね。例年、この時期は気忙しいものですが、なるべく平常心で過ごしたいと年々強く思うようになってきました。



休暇の思い出

師走になりました。今年も残り一か月を切りましたが、いつもながら早いですね。日の短さ、起床時の空気のひんやり感、手荒れなど日常の些細な事から冬の到来を実感します。

先月までは猛烈に忙しかったのですが、ようやく落ち着きを取り戻しました。夏前からの忙しさと疲れを解消するため、先月末に少々、休暇を取り沖縄に行ってきました。仕事の事は一切考えず、波音が聞こえるお部屋で、シュノーケリングや温水プール、エステと心身に溜まった様々な不要なモノを解消してきました。

到着した日は天気も良く、半袖で過ごせたのですが、次の日からだんだん風が強くなり、海がうねり出し、本当はシーカヤックもやりたかったのですが、沖には出られず断念しました。こんな訳でマリンアクティビティが全くできない日が一日あり、その日は読谷にある「やちむん(焼き物)の里」へドライブがてら行ってきました。陶芸作家のアトリエ兼ギャラリーがいくつもあり、散歩しながら見て回るには丁度良い規模です。登り窯に火が入れられている現場も見学する事ができました。これまでは沖縄といえば琉球ガラスのイメージの方が強かったのですが、いやいや焼き物もなかなか良く、思わず買ってしまいました。

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抱瓶(だちびん)と水滴です。抱瓶は今回の旅行で初めて知ったのですが、お酒を入れて持ち運びするものです。大きさは大小さまざまですが、形は三日月形で紐を通す穴が左右にあるのは共通しているデザインです。このぐらいの大きさだと一輪挿しにぴったり。紐を通して壁に掛けてもよさそうですね。そしてこの魚のモチーフは沖縄で初めて人間国宝になられた陶芸作家である金城次郎さんのモチーフ。私が購入したこの抱瓶はその金城さんの長男にあたる方の作品です。ちょっと荒い、力強さが気に入りました。

水滴は言わずもがな、ですね。私は幾つも水滴を所有していますが、どれもこのような丸く柔らかい形ばかり。手に馴染むんです。この水滴も一目惚れで迷うことなく決めました。

陶器の手に馴染む土の感覚って暖かいですよね。同じものが二つとない世界は、書道の世界とも共通しています。人の手によって作り出されたものには、やはりパワーを感じます。

書道は、道具の蒐集も楽しいものです。文房四宝(筆、墨、硯、紙)を求める際は、品質重視でそれなりの値段になるので、あまり軽はずみに買わないようにしていますが、それ以外の道具は求めやすい価格で素敵なものが沢山あります。旅行先で素敵なものに出会えることもあるでしょう。自分が気に入った道具に囲まれて稽古すると、気分も上々です。

今回の旅行は思わぬ収穫もあり、とても良い時間でした。今月は落ち着いて過ごせそうですが、まだ時間があると油断していると年賀状の準備で徹夜する羽目になるので、余裕があるうちに早めに行動しようと思っています。

また素敵な旅行に行けるように、しっかり仕事したいと思っています。休息の為に労働し、労働の為に休息する、この絶妙なバランスを保ち続けたいですね。



プロフィール

書道家(書道師範)、東京生まれ、北海道育ち、現在都内在住

美帆

Author:美帆
書道家(書道師範)、東京在住。あおい書道教室を主宰、大人から子供までを指導。作品制作においては、国内に限らず海外へも活躍の幅を広げ、多方面で活動中。

毎週月曜日夜間クラス(場所:新橋、成人対象)、隔週火曜日午後クラス(場所:高島平)の生徒募集中です。
レッスンの詳細はホームページ
(https://www.miho-ismt.com)をご覧ください。
お問い合わせはホームページ、または本ブログのメールフォームからお願いします。

出張指導にも応じています。プライベート、グループ(企業・団体への出張可)でのレッスンなど初心者から師範取得まで柔軟に対応いたします(級、段の取得可能)。

いまさら聞けない筆使いの基本、臨書の学習方法、創作の基本、理論などに特化した経験者向けの指導も可能です。既に他の教室で習っているものの行き詰まりを感じている方、伸び悩んでいると感じている方、私をセカンドオピニオンとしてお気軽にご相談ください。

作品制作、看板文字、ロゴデザイン制作なども承っております。お気軽にメールフォームよりお問い合わせください。

(注)プライベートレッスンについては、女性限定とさせていただいております。

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