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ひとやすみ

心地よい日が続いております。先日は夏のような日差しでしたが、やはり朝晩は一気に冷えてきましたね。気を抜くとすぐに風邪をひいたり、体調を崩すこの時期は、いつも以上に着るものや食事に気を配っています。

今年もそろそろ来年の手帳を買わなければならない時期。そうですよね、10月も下旬です。来年の個展の準備もあと6カ月ぐらいしかなくなりました。順調、というか予定通りの進捗ですが、振り返るとあっという間すぎて、少し焦りもあります。全体の内容や今後の創作の詰めの段階で何を足すか、、、頭の中では漠然とは考えていますが、時間がもう少し欲しい。。。

個展の準備となると、だいたい常に4作品を同時進行するのが私のペースです。4つが全て同じように進むはずはないので、割と早く仕上がるもの、半年以上もかかるもの、色々ですが一つ仕上がったら新しい作品に取り掛かり、空き時間に次の作品の構想を練り、良いアイデアはノートにスケッチしています。

今もやはり4つの作品をぐるぐると、その日の気分に合わせて進めていますが、以外に苦労している作品があります。書く前は、割と悩まずに書けるんじゃないかと高を括っていて、大いに反省しているのですが。

それは臨書作品です。書道を学ばれている方ならご存じでしょう、藤原佐理の「恩命帖」です。佐理は以前から好きですが、どちらかというと臨書をしっかりする対象というよりも、鑑賞して自分との違いを感じる対象です。あの自由奔放な書きぶり、大胆でありながら緻密な筆使いをところどころで見せる、天性のものを感じます。前々回の個展では「離洛帖」の臨書を展示したので、今回は「恩命帖」を選びました。

もう一つ、恩命帖を選んだ理由は、私が書かなそうな世界だからです。私の作品を何度かご覧頂いている方に、少し意表を突いたものもたまには書いてみたいという、ちょっと遊び心も働き、「いえいえ、私もたまにはこんなのも書くんですよ(書けるんですよ)」、というメッセージになるかと思ったんです。

まずは半紙できっちりとした臨書、そして条幅へ。ここまでは問題なし。しかしここからの展開に詰まります。私なりの味付けをどのように加えていくか、私しか書けない恩命帖とはどのような姿か、、、色々工夫していますが、やる事なす事、残念な結果になり、今は一時停止状態です。大きくしてみると冗長になり締まりがなく、雑な感じになるし、小さくすれば、ただの臨書になってしまいます。

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こんな時は離れてしまうのが一番。一旦、その作品の創作の手を止めて他の作品を書き、全く違う臨書をしたり、人の作品を見ている中で回答が見つかるものですから。そんな意味でも、一つの作品に集中するのはあまり効果的ではないんです。作品自体が影響し合う状況で創作していくと、ある作品で使ったアイデア(技法、道具など)を、他の作品で応用していくことができて、自分の経験値がより深くなります。

とはいえ、こんな状況になると焦るし、他の事になかなか目が向かないんですが、これも人生。書道はまさに終わらない修業。悩み過ぎては脳みそも硬直します。せっかくの秋を楽しみながら、答が出てくるのを待ちたいと思います。

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100回の稽古より一回の展覧会

早いものでもう10月。今年も残り3ヶ月になりました。今日は10月には珍しい暑さとなり、夏の装いでレッスンに出かけました。例年、10月になると年末まであっという間。きっと今年も気が付いたら終わってしまいそうで、、、これからの時間、計画的に過ごさなければと、変に焦ってしまいます。

前回のブログでは少し苦しい状況を吐露したのですが、何とか乗り越える事ができました。悩み苦しんだものが実を結んだ感じで、今は気持ちがとても軽いです。今後の作品のアイデアも浮かび、また一つ一つの地道な積み重ねを大切にしていこうと思っています。恐らく、他人からは私の変化を感じる事は出来ないでしょう、でも肝心なのは自分の気持ち。自分が納得し、自信が持てたことが嬉しくて、とても充実した気持ちです。

さて、今朝の朝日新聞の一面のコラム、「折々のことば」が印象深かったので、レッスンへ向かう電車の中でも自分の事に置き換えて色々と考えていました。

asahi.jpg

「100冊の本を読むより、一回の恋愛」、そして「100回のレッスンより一回のステージ」。

その通りだなぁ、と思うんです。書道の世界なら「100回の稽古より一回の展覧会」といったところでしょうか。

日常のレッスンを継続することも当然いいけれど、展覧会を目の前にして苦しんで試行錯誤しながら仕上げて出品する、そして他人から評価される過程から得るものは本当に大きく、自分を育ててくれます。ずっとマイペースで進むことを否定しませんが、定期的に大きな目標に向かってチャレンジする事、それも人様の前に作品を披露する事で自分を客観視する事ができ、自分の器が少しずつ大きく、深くなるものだと思います。

結局のところ、実際に経験する事が何よりの勉強なんだと思います。頭でわかっている事と、それができる事は違うというのはどの世界にでも共通しますよね。

以前のブログでも紹介しましたが、二人の生徒さんが展覧会に挑戦し、二人とも好結果を残したのですが、その作品制作を通して、日頃の練習の積み重ねと、締め切り前の時間の使い方を身をもって分かった事から、1人の生徒さんは今もなお、毎日の自習臨書を続けています。毎週のレッスンで添削していますが、みるみる上達しているのが分かります。本人もどんどん楽しくなっているようです。まさにこれが「100回の稽古より一回の展覧会」。

現状に不満はないけれど、でも何かメリハリを感じない、上達しているという実感がないという方、思い切って人様の前で披露する場なり、資格を取ってみるなり、何かしらチャレンジしてみてはいかがでしょうか?途中は苦しいでしょうが、終わったらきっと違う景色が見えると思います。私の事でいえば、個展をするたびに、少しずつ自分の成長を感じる事ができるようになりました。まあ、私の場合は未熟過ぎて、伸びしろの方がよほど大きいので、これで成長しなければお話にならないのですが。。。

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プロフィール

書道家(書道師範)、東京生まれ、北海道育ち、現在都内在住

美帆

Author:美帆
書道家(書道師範)、東京在住。あおい書道教室を主宰、大人から子供までを指導。作品制作においては、国内に限らず海外へも活躍の幅を広げ、多方面で活動中。

毎週月曜日夜間クラス(場所:新橋、成人対象)、隔週火曜日午後クラス(場所:高島平)の生徒募集中です。
レッスンの詳細はホームページ
(https://www.miho-ismt.com)をご覧ください。
お問い合わせはホームページ、または本ブログのメールフォームからお願いします。

出張指導にも応じています。プライベート、グループ(企業・団体への出張可)でのレッスンなど初心者から師範取得まで柔軟に対応いたします(級、段の取得可能)。

いまさら聞けない筆使いの基本、臨書の学習方法、創作の基本、理論などに特化した経験者向けの指導も可能です。既に他の教室で習っているものの行き詰まりを感じている方、伸び悩んでいると感じている方、私をセカンドオピニオンとしてお気軽にご相談ください。

作品制作、看板文字、ロゴデザイン制作なども承っております。お気軽にメールフォームよりお問い合わせください。

(注)プライベートレッスンについては、女性限定とさせていただいております。

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