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次回の個展が決まりました!

前回の個展が終わり、早3ヵ月。
先日はオーダー頂いた作品も仕上がり、予定では今年の残りは自分の勉強に充てるつもりでした。(そう、予定では。。。)

ところが素晴らしいご縁に恵まれ、来年の個展がこのほど決定しました。会場は何と!・・・ホテル椿山荘東京です!

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これまでの個展では毎回全て新作を発表していましたが、何分、急に決定した椿山荘での個展なので、充分な準備期間を持てず、次回はこれまで発表した作品を軸に、許された時間の限り新作を足す、というスタイルになりそうです。

とはいえ、少しでも新しい何かを表現したい思いも強いので、また暫くは缶詰状態で創作に取り組む事になります。これまでも会場にはこだわってきましたが、次回は全く違った雰囲気の中での個展になり、私も新たな気持ちに切り替わりつつあります。

次回の個展は丁度9か月後。まだまだ時間はありそうですが、作者としては全く時間がありません。今までにない新しいチャレンジに”楽しく”取り組んでいきたいと思っていますが、この先どうやるやら、です。

開催が近くなりましたら、また告知をさせて頂きますが、皆様には暖かく見守って頂ければ幸いです。

会期:2018年6月12日から6月18日
会場:ホテル椿山荘東京 アートギャラリー

どうぞ宜しくお願い致します。

石本 美帆

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「書について」(高村光太郎)を読んで

9月に入り、空も秋の模様になりました。季節の移ろいを感じますね。そして9月ということは今年の残りはあと4ヵ月。本当に早いですね。

昨日、少し調べ物をしていて、偶然にタイトルにもある高村光太郎の「書について」という文章に出会いました。言うまでもなく彼は偉大な芸術家です。彫刻や絵画、詩など広い分野にわたり、作品を残されています。そんな彼が「書」について、どのような思いがあったのか、かなり興味があり、気軽な気持ちで読み始めたものの、冒頭で「おっ!これは心して読むべき物だぞ」という、一種の緊張感に包まれました。

その冒頭とは
「この頃は書道がひどく流行して来て、世の中に悪筆が横行している。なまじっか習った能筆風の無性格の書や、擬態の書や、逆にわざわざ稚拙をたくんだ、ずるいとぼけた書などが随分目につく。」
というものです。

どうですか?これ、今と全く変わらない様です。現在、書道がひどく流行しているかどうかは一概に言えませんが、でもやってみたい習い事では大人も子供も書道は必ず挙がっています。そして、何よりも気になるのが、彼の言葉でいう「わざわざ稚拙をたくんだ、ずるいとぼけた書」が、あたかも素敵なものとして扱われている現状。

ああ、このような状況は高村光太郎が活躍していた時代から存在して、どんどん退化の一途をたどっているのか、と改めて痛感したのでした。

この「書について」は短くさっと読める文量でありながら、全体を6つに区分けし、構成されています。ざっと内容をつまんでみると、

一:
書は習うに越したことはない。もともと書は人工に起源を発し、伝統の重量性にその美の大半をかけているので、生まれたままの自然発生的の書には深さがなく、脆弱で味気ない。

二:
人工から起こったものは何処までも人工の道を究めつくすのが本当。生まれながらに筆硯的感覚をもっている人ですらそうであるから、その感覚をもっていない人の書となると、俗臭に堕する。そして世の中にはそういう書が幅をきかせている。

三:
書は造形的であるから、その根本原理として造形芸術共通の公理を持つ。比例均衡の制約。筆触の生理的心理的統製。布置のメカニズム。感覚的意思伝達としての知性的デフォルマション。こういうものを無視しては書が存在しない。書を究めるということは造形意識を養う事であり、この世の造形美に眼を開くこと。

四:
漢羲六朝の碑碣の美はまことに深淵のように恐ろしく、実にゆたかに意匠の妙を尽くしている。しかし筆跡の忠実な翻訳というよりも、筆と刀との合作といるべきものがなかなか多い。それゆえ、古拓をいたずらに肉筆で模しても俗臭堪えがたいものになる。

五:
王羲之の書は、偏せず、激せず、大空のようにひろく、のびのびとしていてつつましく、しかもその造形機構の妙は一点一画の歪みにまで行き届いている。書体に独創がおおく、その独創が普遍性をもっている。

六:
書は当たり前と見えるのがよい。無理と無駄との無いのがいい。力が内にこもっていて騒がないのがいい。悪筆は大抵余計な努力をしている。そんなに力をいれないでいいのに、むやみにはねたり、伸ばしたり、ぐるぐる面倒な事をする。

どうですか?しっかりとした書道論ですね。特に「三」は、さすが後世に名を残した芸術家の視点だな、と感服しました。書道を学んでいる者の中で、どれだけ造形芸術共通の公理や意識を気にしているでしょうか?

また最後の「六」も、心当たりありませんか?最後の「はね」がやたらに強調されたり、必要以上に伸ばされたり・・・本当によく見かけるものですね。また、それが恰好が良いと評されるのだから困ったものです。

どの世界にも言える事ですが、良いものは無理と無駄がないものだと改めて胸に刻んだ次第です。自戒のためにも、今回、ブログでこの「書について」をご紹介いたしました。

※ちなみに高村光太郎は著作権が切れていますので、全文を読んでみたい場合には青空文庫で読めます。

過ごしやすい季節になりましたから、じっくり落ち着いて基本に向き合ってみるのもいいですね。

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プロフィール

書道家(書道師範)、東京生まれ、北海道育ち、現在都内在住

美帆

Author:美帆
書道家(書道師範)、東京在住。あおい書道教室を主宰、大人から子供までを指導。作品制作においては、国内に限らず海外へも活躍の幅を広げ、多方面で活動中。

毎週月曜日夜間クラス(場所:新橋、成人対象)、隔週火曜日午後クラス(場所:高島平)の生徒募集中です。
レッスンの詳細はホームページ
(https://www.miho-ismt.com)をご覧ください。
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出張指導にも応じています。プライベート、グループ(企業・団体への出張可)でのレッスンなど初心者から師範取得まで柔軟に対応いたします(級、段の取得可能)。

いまさら聞けない筆使いの基本、臨書の学習方法、創作の基本、理論などに特化した経験者向けの指導も可能です。既に他の教室で習っているものの行き詰まりを感じている方、伸び悩んでいると感じている方、私をセカンドオピニオンとしてお気軽にご相談ください。

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