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効果的な書道の学習

2月になりましたね。

今冬は全国的に寒さが厳しく、インフルエンザの流行も例年より早く始まり、野菜は高く、、、何かと大変ですね。私はとにかく体を冷やさないよう、この時期は暖房費節約よりも暖かさを優先しています。以前「三首(首、手首、足首)」を温めると良いと聞き、なるべく意識して三首は冷やさないようにしていたら、実際ここ数年はインフルエンザは勿論、寝込む風邪をひいていません。2月も寒さが続くようなので、もう暫く三首を温めて過ごす事になりそうです。

今回は効果的な書道の学習方法について、私の持論を述べてみたいと思います。

書道の学習と聞き、どのようなイメージをお持ちでしょうか?そのまえに、まずは「書道」の定義を明確にした方がいいですね。私の「書道」は古典に立脚した毛筆による芸術です。お手本の真似を書く作業ではなく、自分の作品を追求するものです。

指導の場では一般的には初心者は初心者向けの教材、中級者は中級者向けの教材と学ぶ者の学習範囲を区切っている場合が多いです。恐らく殆どの競書でもそのような構成になっているでしょう。当然といえば当然です。初めて筆を持つ者にいきなり草書や篆書、隷書を指導する先生はいないはずですから、段階に応じて適切な教材を用いるのは当然です。ただ、この「くくり」の中でしか学習しない、学習させない事には大きな問題があると日々感じています。

よく生徒さんから「私は初心者だから条幅なんてまだまだ先です」という内容の言葉を聞きます。

果たしてそうでしょうか?私は書道の学習においてはこの考え方は違うと強く思っています。

書道の初心者は、基本的な筆使いを身に付ける段階だと思っています。正しい始筆と終筆をはじめ、払いや折れなど、文字を構成する点画の筆使いをマスターすれば、それ以降はその筆使いの組み合わせにより複雑な文字も書けるのですから。

私は初心者の段階がほぼ身に着いたらどんどん多くの経験をすべきと思っています。分かりやすくいえば、同じ字や手本だけを何度も書くだけの稽古ではなく、数多くの字を幅広く書く稽古です。余裕があるのなら、少しずつでも古典臨書にも取り組み、書道の世界の広さや深さに触れる機会を持つべきと思っています。このような体験から書道の鑑賞眼も養われます。

また「半紙が初心者、条幅が上級者」や「古典臨書は初心者には必要ない」という区分けもやめるべきで、初心者には初心者なりの条幅、臨書を書き進めるべきです。私は書道を本格的に勉強するようになって3年目ぐらい、自発的に猛烈に王羲之を学習し、十七帖や尺牘などを見様見真似で臨書していました。師匠のアドバイスにより、半紙での練習が一定量になったら、その部分を半切に書くという内容です。この時の練習が血肉となり、今の自分を支えてくれていると言っても過言ではないと、今振り返って当時の練習を懐かしく思い出す事が度々あります。あの時、師匠が「あなたは習い始めてまだ3年目、十七帖なんて早すぎる」と言ったら私は書家になれなかったでしょう。書道において「臨書」と「創作」を両輪としてバランスよく経験していくことこそが上達の肝です。

イメージが難しいようなら、スポーツで置き換えてみてください。習いたての初心者なら素振りの練習だけでしょうが、慣れてきたら少しずつ実践に役立つ練習をしていきますね。素振りが100点になってからコートに立つ人はいないでしょう。色々な要素をバランスよく積み重ね、そしてコート上で勝つことを目的としているはずです。

そして最後に、今やっている練習の目的意識をしっかり持つ事も忘れずに。これもスポーツと同じですね。目的意識を持つことやイメージトレーニングで効果は変わります。「癖だから・・・」と言い訳する人も多いですが、何度も指摘されてもなかなか直らない事は、メモするなりして練習する前に思い起こして「癖を直すんだ」という意識をもって練習してみてください。

とはいえ、全ての生徒さんに古典臨書や条幅制作を強要しているわけではありません。私は生徒さんひとりひとりに学習内容を確認しながらご指導しています。ただ、習う以上は絶対に上手くなって欲しいと思っていますので、ついついアドバイスがしつこいかもしれませんが私の愛情と受け止めてください。

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プロフィール

書道家(書道師範)、東京生まれ、北海道育ち、現在都内在住

美帆

Author:美帆
書道家(書道師範)、東京在住。あおい書道教室を主宰、大人から子供までを指導。作品制作においては、国内に限らず海外へも活躍の幅を広げ、多方面で活動中。

毎週月曜日夜間クラス(場所:新橋、成人対象)、隔週火曜日午後クラス(場所:高島平)の生徒募集中です。
レッスンの詳細はホームページ
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