2019/01/30
やっぱり道具選びは大切
東京はずっと晴れが続き、空気はカラカラです。明日、一雨ありそうとの事で雪になる可能性もあるとのこと。雨は鬱陶しいですが、時折雨は欲しいものです。さて、以前にも何度かこちらに書いた事と思いますが、道具選びについて改めて書いてみたいと思います。
というのも、道具に無頓着な人がやはり多いのです。お手入れだけしていればいいというものではありません。道具を適材適所で使い分ける事にも気を配るべきです、特に初心者には。
例えば楷書を書くには羊毛より兼豪の方が向いていますし、墨は淡墨より濃墨の方が滲みが少なく、紙も滲みにくい紙を選ぶとキレのある線に仕上がります。草書を書くなら柔らかい羊毛の筆で、滲みとかすれのコントラストを表現すべく、濃墨も良いですが少し薄めてみるのもよいものです。
つまり「〇〇を書くから、この道具を選ぶ」という意識、姿勢が必要になるのですが、常に同じ筆一本で、墨もせっかく超濃墨を持っているのに、何も考えずに常に同じような濃度に薄めて、、、そして案の定、苦戦している人がとても多いと感じます。
上級者になれば、どのような道具でも使いこなせ、むしろ使いにくい道具により趣きある表現になる事もありますが、それはあくまでも上級者向けのこと。基本を学ぶ段階においては良い手法とはいえません。初心者こそ道具にこだわり、適切な道具で学んだ方が早く上達します。
こうも何度も強調するのも、実は先日のレッスンでこのような光景があったからです。昇段課題の楷書の古典臨書に苦心している生徒さん、なかなか筆使いが定まらず、見ていてもどことなくぎこちなく、単に練習不足というより他に原因があるかもしれないと思い、まずは筆を疑ってみました。そこで私が使っている添削用の筆を生徒さんに貸し、その筆で一枚書いてみたら、本人も書いている途中から「書きやすい、筆でこんなに違うんですか!」と驚きの声が。違いを実体験し、最後は嬉しいと行って帰られました。自分なりに解決法が見出せたようでした。
道具を選ぶ目を養うことも大切な勉強です。いつまでも「わからないから店員さんのお薦めを買いました」では情けない。面倒と思ってもここは大切なトライアル・アンド・エラーのの場。失敗したら次はその失敗を生かせばいいだけのこと。面倒がらずに、横着せずにゆっくり経験を積み重ねてください。
書道における文房四法は単なる筆記用具ではなく、表現するとても大切な道具です。何を表現したいか、どのような意図をもって作品に仕上げるか、もっともっと気を配って取り組んでみてください。
今月が明日で終わりだなんて、本当に早いものですね。私はそろそろ確定申告の準備もしなければならない時期。ひとつひとつ、ゆっくりですね。
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