2019/04/17
ニューヨークへ行ってみて
新緑が美しく、やっと冬物も仕舞える季節になりました。気が付くとブログは約2ヶ月ぶりの更新。かなりサボってしまいました。新学期も始まり、新しい環境に身を置き不安や期待に包まれながら毎日を送っている人も多いでしょうね。
私はといえばニューヨークで4月上旬に開催されたアート業界の展示会「Artexpo NY」に出品したので、仕事と観光を兼ねて8泊10日、ニューヨークに滞在していました。
仕事は思うような結果には結び付きませんでしたが、多くの海外の人に見てもらえたのは良い経験になったと思っています。出品作品の殆どがカラフルでビビッドすぎるポップアートだったため、墨一色で表現される作品に落ち着きを感じる人、字を絵のように感じる人、雅印に興味を持たれる人など居たようです。
今回、出品を決意したのは自分の作品を海外の人に認めてもらいたいという思いは勿論なのですが、このままでは近いうちに日本の書道界の行方が行き詰まり危うい状況になってしまうという危機感を常に感じ、何か新しい事を模索しなくてはという思いも後押ししました。
日本には不思議な事にアートマーケットが無いといっていい状況です。皆無ではありませんが、新人を発掘、作家を支援するという動きは極めて乏しく、現在、世界で活躍されている日本の著名アーティストも、まず最初に海外で認められ、あとから日本のアート業界が焦って追いかける、というパターンがとても多いです。これが書道界となると更に世界はぐっっっっっと狭く、しかも「いびつ」になっていて、最早、自己満足の世界だったり、「なあなあ的」な曖昧さや面倒くささの方が多いという一面があります。
私は書道を志した時から、書道界はもっと開かれた世界になるべきだし、若手を育成するとなれば、クリーンでフェアで新しい事にも柔軟に受け止める体制でなければ志す若者や更には他業界から隔たりが生まれ、ガラパゴス化していくと思っています。いいえ、もう既にガラパゴス化へまっしぐらです。
その一方、安っぽいパフォーマンス書道やら、インテリア書道、美文字やらがはびこり、「プロを名乗るならそれじゃ不味いでしょ」という作品や指導も沢山目にします。現在はそのような作品の方が目を引く事もあり、マスコミやSNSで拡散され、あたかもそのようなものが良いという価値観が見る側に植え付けられてしまうという悪循環な状況でもあります。色々な形式は存在していいのですが、亜流は亜流として、一流は一流として区分けされて認識されなければいけないのです。
正しいもの、あるべきものの姿がそのまま正しく評価される世界をどうにかして確立したいと常に切に思いながら日々指導し創作しているのですが、これはなかなか難しい。
そんな思いもあり、海外でもっと書道が認められるようになれば、日本でも盛り上がりを見せ、書道を根本から見つめる人も増えるだろうし、学びたい人、学び直したい人も増え、何より評価されるならその世界に身を置き挑戦したいと思う人も増え書道人口の増加につながる可能性があると思い、まずは出来る事から一つ一つ挑戦だと奮起したのです。また今回お世話になったギャラリーさんからのお誘いが運命的なタイミングでもありました。
書道という非常に特殊な美術を世界の人に認めてもらうなんて、そう簡単ではないのは書道を始めた時から分かっていて、いつかその壁にぶち当たるんだろうと思っていたので、今はとうとうその壁の前に立ったに過ぎないという感じです。この目の前の壁をどうするのか、何とか超えるのか、超えずに違う方向に進むのか、来た道へ戻るのか、、、これからゆっくりと考えていきたいと思っています。
ニューヨーク行ってよかったです。実はヨーロッパのアート市場も気になっていますし、これからも「よし挑戦だ!」と思った時にすぐに動けるように精進を重ねていきたいと思っています。
今週から通常通りのレッスンを行っていますが、何だかとても気持ちが軽いです。






********************************************************************
レッスンや作品制作、作品レンタル等のお問い合わせはこのブログのメールフォーム(プロフィールの下にあります)、またはコメントからお願いします。
レッスンについては
・「教えるのが上手な先生.com」(「音楽・芸術」分野に登録)
・「LESSSON(レッソン)」(レッスン全般について)
・「LESSSON(レッソン)」(作品制作などについて)
からでも受け付けております。
作品レンタルの詳細はこちらをご覧ください。
ホームページからでもお問い合わせを受け付けております。
些細な事でもお気軽にお問い合わせ下さい。
********************************************************************


スポンサーサイト