2019/07/14
例年よりも涼しい7月ですね。夜は少し肌寒いくらいです。でもそのお陰で毎日のウォーキングが気持ちよく、強い雨の日以外は、2~3キロ程度を早足で歩くようにしています。全身、ジワっと汗をかき、毎日続ける習慣として数年前から定着しています。
実はこのウォーキングの時間は、脳内整理の時間でもあります。製作中の作品のこと、雑多なアイデアから新作のテーマの引き出したり、レッスンのあれこれ、指導内容の振り返り、今後の方針など、まさに内省の時間です。外の空気を胸一杯に吸い、そして吐くを繰り返しながら、難しい事は考えず、その時に頭に浮かぶ事を自問しながら歩いているうちに答えに辿り着くこともあるし、答えまでには到達しなくても、こんがらかった事がスッキリしたり、少し距離を持てて客観的に捉えられたりと、いつしかとても貴重な時間になっています。
今回は、ウオーキングしながら結論に至った学び方について。きっとこれは他の分野にも共通していると思います。
特に趣味への取り組みだとスピードや熱量は個人差が大きく、私もそれぞれの方針を尊重しているつもりです。趣味といえど、空き時間や隙間時間を上手に使って自習に打ち込む人もいれば、レッスンの時だけしか筆を持たない人もいます。個人の価値観がありますので、どちらの方針をとるのも自由なのですが、「何を目指しているのか」によって方針を決めるべきと思っています。
「何を目指しているのか」によって方針を決めるべき・・・これ、当たり前の事だと思うのですが、以外にそうでもないのです。
例えば、「展覧会に出品して受賞したい」、「ゆくゆくはゆっくりと書道の仕事(筆耕)をしてみたい」、、、などと言っている生徒さん、のんびりとレッスンを受けて帰ります。次回のレッスンまで数か月空く人もいて、その間に自宅で一枚も書いていない。筆順の誤りを何度も繰り返す、楷書の筆遣いの習得に一年以上かけても不完全な方、基本となる筆の持ち方を数か月以上注意されている方もいます。う~ん・・・う~ん・・・。
書の道(茶道や華道も)の世界は終りがないからゆっくりと、と仰る方もいます。確かにその通りです。ですが、筆順や筆の持ち方、筆遣いを身に着ける段階は、その道を究める作業にある準備段階。この初歩段階はさっさと身に着け、少しでも早く身に着けた技術を応用、展開する事に時間を割くべきです。
例えとして正かしいかどうか分かりませんが、語学を学ぶ人にとって文法や単語を覚えること、数学や物理、化学を学ぶ人にとって法則や公式を覚えること、子供が漢字や算数のドリルを繰り返すこと、といったその分野の本質を学ぶ上でどうしても初歩段階で覚え、身に付けなければ先に進めないものがあります。文法や公式について悩んでいたら、本末転倒の結果になりますよね。学びを進め、極めていくうちに「ああ、そうだったのか」と腑に落ち、より理解度が増し、世界が広がるものです。
ですから初歩段階の基本的事項については、とにかくいち早く身に付けてほしいのです。そしてその身に付けたあれこれを駆使して、失敗を伴う実験しながらその「道」を自分のペースでゆっくりと進んでほしいのです。
もちろん、最初に書きましたが、もともと「レッスンの時間だけ書きたい」とか「昇級、昇段、展覧会には興味ないし、古典にも興味ありません。毎回、ゆっくり課題を書くのが自分にとって丁度良い」生徒さんには、それなりの指導をしつつも、ゆっくり上達できるように手本を工夫したり、良い意味での妥協点を持つようにしています。
立派な目標を設定しているものの、思うような上達を感じられないのなら、自分が今、どの段階でつまづいているのか俯瞰してみてください。文法や公式、法則を身に付けないまま、レッスンを繰り返しているかもしれません。
質を高める前には量がどうしても必要なのです。量をこなしているでしょうか?その量を目の前にひるむのなら、目標の見直しをした方が楽しめるかもしれませんよ。
一年の後半もスタートを切り、年末までどのように過ごそうかと考えている人も多いと思います。今のうちにゆっくり今までとこれからを見直すのもいいですね。私も後半に向けて少し具体的なプランを立ててみるつもりです。でも、焦りや緊張ばかりの時間も禁物。気分がスッキリした時に淡々と、がいいですね。

これは生徒さんからのハワイのお土産。この生徒さん、私の生徒さんの中の最高齢、なんと93歳。とても前向きで、素晴らしい人生の先輩なんです。
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