2021/11/15
個展展示作品新作8点のご紹介
11月10日から開催している個展の展示作品のうち、新作8点について簡単に解説します。以前にもご紹介しましたが、今回の個展には「つながり-変わりゆく世界の中での心象-」というサブタイトルを付けました。「変わりゆく世界」とは、コロナウイルス感染拡大により変わった世界(価値観、状態)のこと。
新作8点はコロナ禍で生活する中で強く感じたり、向き合わざるを得ない感情、感覚などを作品にしました。
① 【系(つながり)】

パンデミックを境に人やモノとの本当のつながりを強く意識するようになりました。以前にも書いた字ですが、今こそ改めて書きたくなり、最初に手掛けた作品。
書体は甲骨文字です。
② 【心】

「系」とテーマは同じです。また自分の心の在り方の理想像でもあります。柔軟、かつ揺るぎないない心を表すため、線のしなやかさと沈着冷静な趣を同居させる事を意識しました。強くて柔らかい心をイメージしたものです。
書体は金文という古代文字です。
③ 【正】

正しい事、正しいものの存在ががとても儚いと感じ、その儚さを柔らかい墨色で表現しました。正しいものの周囲には色々なもの(忖度など)が取り巻くている状況を、大胆な空間を作る事で表現しました。正しい物事が存在する際に生じる「ちょっとした緊張感」を墨の飛び散りで表しました。
書体は金文という古代文字です。
④ 【流】

無常をテーマにした作品を書きたく、「無常=流れ」から「流」を選びました。人間が抗うことのできない、運命の流れを強く感じ、流れのうねりや勢いをイメージしています。流れる様子をそのまま表したかったので、「流」一文字を思い切り縦型に伸ばしました。銀泥の使用は、「流」の字を決めた時の直感です。
書体は草書です。
⑤ 【歩歩】

「歩歩=ひと足ひと足」の意味。コロナ禍において活動の制限を受け、立ち止まった活動がありました。今後、立ち止まった活動の復活に向け、一歩一歩進んでいきたいという思いで選びました。「歩」の字が、下から上へ徐々に大きくしているのは、小さな一歩も大きな歩みにつながる様子を表しています。
書体は金文という古代文字で足跡の形を表しています。
⑥ 【問】

コロナ前からあった様々な「問」が、コロナ禍でどんどん大きくなったと感じています。混沌と渦巻いていて、負の連鎖を生んでいると感じるものが多く、その感覚を表現しています。
書体は行書です。
⑦ 【断】

様々な分断を感じ、言葉の持つ意味そのままのイメージで書いたため、とても重く強い作品となりました。
書体は金文という古代文字です。
⑧ 【生】

生きる事、生きていく事を改めて考え、この字を選びました。書体は「金文」という古代文字で、発芽の様子を表しています。発芽した子葉は、大きく強いものにしたかったので、紙面一杯、左右に広げています。墨のグラデーションは、墨色の表現力を知ってほしかったのと同時に、生きることは、悲喜こもごもでグラデーションのない人生はない事も表しました。
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どうぞ、ご自由にご鑑賞いただければ幸いです。
今回は、あえて額装しない状態で展示しております。
私なりにこだわったそれぞれの作品の墨の色の違いが感じられると思います。
個展は11月30日までです。
11月27日(土)は私も在廊する予定です。
ご都合が合いましたら、是非お越しくださいませ。
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『石本美帆 個展』
つながり -変わりゆく世界の中での心象-
Miho Ishimoto Solo Exhibition
Connection - Imagination in a changing world -
会期:2021年11月10日(水)~30日(火)
時間:12:00 - 19:00
休郎:日・月・祝
会場:北井画廊
東京都千代田区隼町3-1(国立劇場通り沿い)
tel:03-5226-5117
http://www.kitaikikaku.co.jp/
※お祝いのお花やお品等のお心遣いは辞退させていただきます。
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