2022/06/14
自信を持つために
梅雨入りして一週間。暑かったと思えば、肌寒いぐらいの気温になったりで、変化が多い時期です。なんとなく体が重く感じる時もありますが、最近はお香でリラックスすることが多いです。今は個展や展示会のような大きなイベントが予定されていないので、私にとっては「オフシーズン」です。オフシーズンは私なりの過ごし方があり、とにかく徹底的にインプットしています。まずは臨書、臨書、臨書!
私の臨書は法帖の全文臨書です。全文臨書を数回繰り返しながら条幅へ倣書、創作へと展開していきます。それなりの形になったら、また別の法帖の全文臨書をし、条幅へ展開していくというコツコツ作業。地味でとても時間がかかります。
このコツコツ作業もオフシーズンではじっくり取り組めるので、自分の筆遣いや手本の見方がきちんとできているか確認しつつ、書道字典を脇に疑問を持った箇所では検証し、自分なりの結論を出すようにしています。
何故、このスタイルを続けるのか。それは自信を持ちたいから、最後まで自分で判断し、自分を信じたいからです。
誰にとっても自信をもって何かに取り組むのは難しい。芸術という正解が無い世界では、切羽詰まると孤独を感じたり、判断ができない瞬間がよくあります。その時に支えてくれるのは、これまで重ねてきた「経験=練習量」です。「あれだけ書いた、あれだけ試した」事実だけが救ってくれることがあります。
そして経験してきたからこそ、もっと言えば失敗した経験があるから、多少の失敗が怖くなくなります。「失敗してもいつものことだ」になるわけです。失敗がつきものである新しい事へ挑戦が、さほど億劫ではなくなってきているように感じます。
いつも私の師匠が言うこと・・・「全臨することが自信になっていく」。
その通りだなと思います。
昨今、情報収集はとても簡単ですが、ついついそれで満足しがちですよね。自ら実践し、経験の中から真理に辿れる人はどの分野でも強いなと感じます。自分の世界観を広げ、確たる信念を持てるようになるには「経験量を増やす」に尽きると思います。
そして書道でいえば、例えば課題の数文字を何十枚、何百枚と書くのではなく、地道に法帖全文を書くような、広く全体を知る勉強をすべきです。ある法帖の数文字書いた、は臨書したうちには入りません。ある曲の数小節やサビしか知らないのと同じです。
お教室の運営方針で月毎の課題を仕上げたら次の課題へと移行し、一つの法帖にじっくり取り組めない方もいらっしゃると思いますが、「この書風が好きだな」と感じるものがあったなら、課題と並行して自習してみてはいかがでしょうか。先生に相談したら喜んで添削やアドバイスしてくれる場合もあると思います。
因みに私は今、太宗皇帝の『晋詞銘』と『温泉銘』に取り組んでいますが、『晋詞銘』の臨書は全文を淡墨で書くという、ちょっとした冒険をしています。臨書といえば「濃墨でゆっくり丁寧に」が原則ですが、『晋詞銘』のぽってりした感じを表現するのに淡墨で書くという解があってもいいと思ったからです。そして先週から条幅へ少字数作品への展開を模索しているところです。

梅雨とオフシーズンが重なり、ある意味でとても良い過ごし方だなと思っています。
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