2022/10/21
教えながら教えられる
秋になったと思ったのも束の間、朝晩はしっかり冷え込み、季節の移ろいの速さを感じます。心地よい秋を存分に満喫したいと思いつつも、寒さに弱い私には次の季節を迎えるのが少々、憂鬱です。先日のレッスンで、指導する者も学ぶ者も「基本に帰れ」と改めて感じた事がありました。
ある生徒さんの事ですが、この数か月、とにかく字が小さく、線にも表情が無い状態が続いていました。最初は慣れない臨書に戸惑い、本人なりに苦労しているのだろうと思っていました。しかし数か月たっても変化がありません。私は同じことを繰り返し添削しつつも内心ではどうして変わらないのか、なぜ大きく書けないのかずっと頭にあり、添削方法を変えてみようか、今の手本から一度離れて違う教材に取り組むべきか、いつも考えていました。
そして先日のレッスン。自宅で書いてきたものはやはりこじんまり。きっと本人も毎回同じことを言われて、嫌気もさしているだろうと思い、「次は紙からはみ出るぐらいの大きさで書いてみて」とアドバイスし、本人の目の前で手本も書いてみせました。そうしたら少し言いにくそうに「筆が駄目かもしれません」と言われました。
一瞬、私は「筆が駄目」の意味が分からず、すぐに返答できなかったのですが、続けて「中筆で書いていました」と言われたのです。半紙に四文字をずっと中筆で書いていたのか…そりゃ、大きくは書けない訳だ!と全て合点しました。本人は、その前に書いていた違う手本では中筆が丁度良く、書きやすい筆でもあったから手本が変わっても中筆を使い続けたそう。
私ももっと早くに気付くべきでしたが、このクラスは添削順番が決まっていて、常に添削をし続けている状態なので、私が生徒さんが書いている現場ををゆっくり見る時間がほとんど無く、その状況に甘えていました。また、親筆で書いているものと思い込みもありました。
書をする者にとって、道具選びは常に気を配り、結果次第で柔軟に変更していくもの。
導くものは、常に学ぶ者に寄り添い、現場で短時間で解決することを心がけるもの。
今回は学ぶ側も導く側にも落ち度があった訳です。今回の事で、現在の添削について反省すべき点が明確になりました。改善すべき事はすぐに改めるつもりです。
失敗しながら、こうして経験を積める事は有難い事です。
まだまだ半人前で教えられながら指導している身ですが、芸術の秋に相応しく、楽しく書道に取り組んでいきたいと思っています。

********************************************************************
レッスンの詳細はホームページをご覧ください。
レッスンや作品購入・制作等のお問い合わせはこのブログのメールフォーム(プロフィールの下)かコメント欄、またはホームページのコンタクトからお願いします。
・オンラインレッスンの詳細、お申込み、お問合せはこちらをご覧ください。
・オンライン書道よろず相談の詳細、お申込み、お問合せはこちらをご覧ください。
レッスンについては
・「教えるのが上手な先生.com」(「音楽・芸術」分野に登録)
・「LESSSON(レッソン)」(レッスン全般について)
・「LESSSON(レッソン)」(作品制作などについて)
からでも受け付けております。
・作品購入はこちらをご覧ください。
些細な事でもお気軽にお問い合わせ下さい。
********************************************************************


スポンサーサイト