2016/03/09
筆の持ち方の「基本のキ」
3月に入り、特に昨日はとても暖かく全身、春の装いで出かけたのですが、今日から真冬の寒さに戻り、この寒さ、来週前半まで続く模様ですね。コートを仕舞うのはもう少し先になりそうです。こんな時期は毎日の体調管理に気を配らなければなりませんね。でも確実に春はすぐそこまで来ています。あちこちで花の便りも目に、耳にしますね。今日は書道をする者にとって、本当に本当に最初の基本、「筆の持ち方」について改めて書いてみようと思います。というのも私自身も習い始めの生徒さんには必ず筆の持ち方はご説明するのですが、人によってはこの基本をしっかり身に付けるのが難しいのです。見受けるに、日頃の筆記用具(鉛筆やペンなど)の持ち方にそもそも悪い癖がある方は、筆の持ち方にも悪い癖が出ているようです。今回は正しい持ち方と一番多く見受ける悪い持ち方を写真付きで解説します。
正しい持ち方は至ってシンプルで手や指も滑らかに動かせます。持ち方は双鉤法(人差し指と中指を筆管にかける)か単鉤法(人差し指だけ筆管にかける)のどちらかにしましょう。創作で応用させていく場合はこれら以外の持ち方もしますが、日頃の稽古ではオーソドックスなこの二つの執筆方にすべきでしょう。
私は単鉤法なので、写真はすべて単鉤法になっていますが、双鉤法も同様に考えて結構です。ポイントは親指と人差し指は「指の腹」で(双鉤法の人は親指と人差し指と中指が「指の腹」)筆を持つ事です。このように持つ事で掌の中は大きな空間になります。親指と人差し指で大きな楕円が出来ていればOKです。また指先にはしっかり力を入れます。


一方、私が良く目にする「悪い持ち方」は、親指の「腹」ではなく、親指の第一関節で筆を持つものです。第一関節で持てば、掌の中には広い空間は確保できません。また親指と人差し指で大きな楕円はできません。


いかがでしょうか?思い当たる方は、是非この機会に筆の持ち方を改めてみてください。正しい持ち方は指(=筆)の可動域が大きく、俯仰法はじめ、筆圧をかける、筆を吊り上げる、捩じる等を筆の穂先まで思いのままコントロールでき表現豊かな線が生まれますが、悪い持ち方は指(=筆)の可動域が小さく、細かな筆使いのコントロールが出来ず、特に細字(小筆)の扱いはとてもぎこちないです。
次いでに申し上げますが、「腹」で持つのは硬筆(鉛筆やペン等)の持ち方も同様なのですが、最近の若い方(20代)や子供の殆どは親指の第一関節で持ち、筆記用具が垂直に近い角度になっています。結果として、滑らかに字を書き続けられず、筆記する際に紙に打ち付けるような書き方をしています。書き続けるほどに疲れ、当然、字形は乱れる訳です。最初に申し上げましたが、日頃の硬筆の持ち方が誤っている人は、ほぼ例外なく筆においても悪い癖が出ます。
何事においても基本はとても大切です。「ついつい癖で・・・」と言っているうちは、いつまでたっても今のままです。自分に悪い癖があると分かった時点で常に意識してみてください。日頃のちょっとした心掛けで今後が大きく変わってくるはずです。
新しい季節を目の前に、何かを改めたり、何かを始めるには良い時期ですね。自分の上達や成長を少しずつでも実感できる毎日でありたいと、私も精進し続けるつもりです。
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