2017/07/16
教える事は学ぶこと
今年は暑さが厳しいと予報されていましたが、毎日の暑さは予想以上ですね。実家のある北海道まであの暑さです、普段エアコンに馴染みのない道民は苦労していると思います。とはいえ、東京はまだ梅雨明けしていないんですよね。この先が思いやられます。とにかく体調管理をしっかりと!ですね。個展終了の報告後、暫くブログの更新がないまま、先日いきなりレンタルサービスの紹介をしましたが、この間も色々な事がありました。レッスンは途切れませんし、個展の残務作業をしながら、自分へのご褒美旅行に行ったりと、それなりに盛り沢山でしたが、ある嬉しい「変化」がありました。それはレッスン内容なんです。
個展を見に来て下さった生徒さんグループが、自発的に古典書道を学んでみたいと言ってきたのです。
私は全ての生徒さんに対し、一律に同じ手本や競書をもとに指導するのではなく、ひとりひとりの意向を確認しながらお手本なり、学習教材を選んでいます。書道を習うといっても、「自分の字にコンプレックスがあるから、せめて自分の名前ぐらい恥ずかしくない程度に書けるようになりたい」、「書道をしている時間の静けさが好き、墨の香が好きだからやりたい」といった人から、「子供の頃からずっとやっていたから、大人になって本格的に再開したい」、「やる以上は上を目指したい」という人まで、目的や目標は様々だからです。
ただ稽古を進めていくと、現状に留まらず、もうちょっとだけ向上心を持てば、一段と素晴らしいものになりそうな人がいるものです。でも本人が望まないのに、私が一方的にやりなさい!と押し付けるのも双方に苦痛があるし、私が何が何でも説得すべきことでもなく、最終的には「これが本人が望むことなら、現状が丁度良いのだろう」と思うようにしているのですが、現在、まさにこのような生徒さんグループがあるのです。このグループは全員初心者としてスタートした集団ですが、ほぼ基本は身に付き、人によってはかなり筆達者な方もいるので、何度か古典書道をやってみてはどうかと提案しつつも、その先へはすすまず、今後の手本をどうしようかと思案していたところでした。
ところが、今回の個展を見に来てくれたその生徒さんグループが、私の臨書作品を見て、「どこまで出来るかわからないけれど、ちょっと触りだけでも古典をやってみたい」と自発的に言ってきてくれたんです。
これは本当に嬉しかったです。そして同時に「そうか、口であれこれ言うよりも自ら(形や状態を)見せるべきだったのか」と学びました。
こんな嬉しい変化があり、今月のレッスンから新しい教材を渡し、古典書道を学ぶうえで知っておくべき内容の講義も交え、新しいレッスンスタイルがスタートしました。この先、どうなりますやら。何せ古典の世界、学ぶ方も大変でしょうが、こちらも相手の状況を確認しつつ、ゆっくり、じっくり、焦らず一歩一歩です。そして何よりも、自ら新しい世界を学びたいと感じた気持ちにお応えしたいと、今は責任感と嬉しさで一杯です。

いつも感じる事ですが、教える事から学ぶことは私の財産です。この経験の積み重ねが、私を強く深く、しなやかに育ててくれます。
因みに今回の個展で発表した臨書作品は2つ。一つは王羲之の「十七帖」、もう一つは「開通褒斜道刻石」。この生徒さん達は「開通褒斜道刻石」を見て「古典を学びたい」と感じたんだそうです。作品の良し悪しは個人の感じ方で結構ですが、自分では「開通褒斜道刻石」の持つ雄大さは存分に表現できたと思っている、気に入っている作品です。

今回の出来事は今後の励みにもなりました。まだまだ学ばなければならない事は多いですね。暑い日が続きますが、地道に精進を重ねたいと思います。
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